【楽しむ色4】にほんの文様・紙きりあそび

2006.12.23

【楽しむ色4】にほんの文様・紙きりあそび

折り紙を△(さんかく)に折って、それをさらに三等分あるいは四等分に折りたたんで、両サイドからはさみでいろいろな文様を切っていく。
全部がばらばらにならないよう、要所要所の縁はきちんと残しながら切っていく。
最後にそぉ〜〜っと開いてみると美しいかたちが現れる!
そんな遊びをしたのは幼稚園、あるいは小学校低学年の頃だったかもしれません。

江戸時代、紙きりあそびは今よりずっと一般的で『紋切り遊び』と呼ばれており、さまざまな家紋を切り紙としてアレンジしたものでした。
昭和初期までは紋切り遊び用の「型紙」がお祭りの屋台などで売られていたそうです。

その「復刻版」ともいうべき紙きりあそびセットがあります(画像左はその一部)。
薄い和紙でできた折り紙と、文様を切り抜くための型紙がセットになっています。
自分で用意するのは「先の細いはさみ」「デザインカッター(曲線が切れるカッターです)」「貼ってはがせるタイプのスティックのり」「カッターマット(机などを傷つけないために)」などで、誰でも簡単に文様を切ることができます。(画像右)。

立秋とは名ばかりの暑さが続いていますが、ここは気分を先取りして「秋の文様」とまいりましょう。
(画像中央・左から順に、家紋の名称です)
『真向き兎』(まむき うさぎ)
『陰組み合わせ八重桔梗』(かげくみあわせ やえききょう)
『丸に対い蜻蛉』(まるに むかいとんぼ)

私は時おり、色に関するワークショップを開催するのですが、そのワークショップの中でこの『紋切り遊び』を使わせて頂くことがあります。
なぜなら、見た目よりお手軽で、想像以上に美しい文様が完成するから。
何より全部切り終えて広げた時の喜びがあります!

参加者の皆さんには、幾つかの型紙の中から好きなものを選んで頂き、実際に作って頂きます。同時にさまざまな色の台紙(日本の伝統色のもの)を用意しておきます。
できあがった作品を好きな色の台紙の上に貼ってお持ち帰りいただくのですが、台紙の色によって、ずいぶん文様のイメージが変わって見えるんです。

せっかく完成した切り紙ですから、少しでも見栄えするように…と思うのは当然♪
台紙選びの時間は、予想以上にわいわいがやがや。盛り上がります。

先日、楓(かえで)の文様を黄緑色で切り抜き、台紙に露草色(つゆくさいろ)を選んだ方がいらっしゃいました。
日本の家紋がモダンな洋風のパターンに見え、斬新でした。
配色を考える際は「調和論」などをよりどころにする場合もありますが、あれこれと実際に組み合わせてみて、「これだっ!!」という配色を発見するのも、また楽しいものです。

ガジェットブックス『紋切り型』: ?エクスプランテ

【2006年8月 記】

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