【東京色彩散歩】香りと色の癒し空間…リスン青山〈Part1〉
2007.07.06
【東京色彩散歩】香りと色の癒し空間…リスン青山〈Part1〉
〈画像左〉店内の様子
〈画像中央〉カウンターの上のインセンス
〈画像右〉購入した七色のインセンス
※画像をクリックすると大きな画面でご覧頂けます。
小学生の頃、毎年夏になると、おばあちゃんの運転する車で栃木県の日光いろは坂にドライブに行っていました。その頃はまったく意味の分からないまま、いろは歌を暗誦していたものです。いろは歌の冒頭は「いろはにほへと ちりぬるを…」ですが、これを漢字かな混じりで表現すると「色は匂へど 散りぬるを…」となります。
色が匂う?
そうなんです。「色が匂う(にほふ)」とは、赤色の花が鮮やかに咲き誇っている様子を表す万葉の言葉なのです。「にほふ」とは花の香りの表現ではなく、むしろ 花の色の美しさを表現する言葉というふうに解釈すると良いようです。
色が匂うとしたら、香りのことは何と表現するのでしょうか。
時々ふらりと出かける青山に、インセンス(お香)の専門店『リスン青山』があります。リスンのスタッフの方たちは皆さん「香りを聞く」と表現します。とても美しい響きの日本語。昔の人は、香りや色を 五感すべてで複合的に捉えていたのかもしれませんね。
私はカラーコーディネーターという仕事をしていますが、自分の感性に栄養分を与えるよう、ちょっとだけ意識して街を歩くようにしています。今日ご紹介する『リスン青山』は、私にとって、心が豊かになる とっておきの空間です。
店内は白い和紙のオブジェで楚々とした印象(画像左)。入口正面に、透明なカウンターがあって、その上には色とりどりのインセンスが、なんと150種類以上(画像中央)。スタッフの方々は、ひとつひとつの香りに精通していて、好みを伝えればパパッと幾つもの香りを提案してくれるんです。ここに並んでいるお香は1本単位で購入でき、1本31円〜52円が中心。いずれも7cmという短めのインセンスなのですが、これは「一人暮らしの方にも気軽に楽しんでいただけるように」というコンセプトから決まった長さだそうです。お部屋の広さで言うと6畳〜10畳にちょうど良いとか。
今回『色の世界へようこそ』で、コラムとしてお店の紹介をさせて頂きたいとお願いしましたら、快く応じて頂きました。
以下、リスン青山 ショップマネージャーの高尾さんから伺ったお話です。
桜「インセンスというと、あまりなじみのない方もいらっしゃると思うのですが、初心者におすすめの使い方があれば、教えてください」
〜玄関で焚くというのも良いと思いますし、これからの季節でしたらグリーン系や柑橘系の爽やかな香りを、入浴前に洗面所で焚いておくのがおすすめです。ちょうどお風呂から上がる頃、お香の残り香がお風呂の湯気と一緒になって、とても気持ちいい空間が生まれるんですよ。ぜひ試してみてください。
桜「スタッフの方々は、ひとつひとつの香りをどうやって覚えているのですか? 特別な訓練などを受けていらっしゃるのでしょうか?」
〜新しい香りが完成すると、まず私たちスタッフも実際に使ってみるんです。自分の部屋に持ち帰り焚いてみたりもします。その上で、ミーティングを開いて「この香りは、どんな場所で焚くのが良いか、どんなお客様におすすめしたいか…」などを、皆で話し合うんです。
桜「なんとクリエイティブなミーティングなのでしょう。素敵ですね〜憧れます!」
【リスンでお買い物・その1】(画像右)
今回お買い物の相談に乗って頂いたのは、「お世話になった方々に、ちょっとした御礼として使う『七色のお香セット』を作りたい」というものです。カラーコーディネーターという仕事柄、虹の七色にこだわりたかったので、赤・オレンジ・黄・緑・青・藍・紫と、まず色で選び、いずれも華やかで親しみやすい香りを選んで頂きました。小さなホルダー(お香立て)も付けて、普段インセンスになじみのない人でも気軽に楽しんで頂けるセットになりました!
〜Part2に続く〜