食器に使われている赤・黄・青■▲●赤・黄・青の話〈5〉最終回
2008.04.25
食器に使われている赤・黄・青■▲●赤・黄・青の話〈5〉最終回
デ・ステイルを主宰していたドゥースブルフは、色彩のエネルギーはその純度によって決定されると考えていました。「赤、黄、青は、赤が黄のまじりけを持たず、黄が赤と青のそれを、青が黄と赤を持たずに形成されるときだけに、その効果を最大限に発揮するような独立した色彩特性というか、エネルギーを持っているものだ。」
最終回は、身近にあった食器の中で、赤・黄・青を使ってデザインされたものを2種類比較しながら、赤・黄・青について考えてみたいと思います。
左および中央が、マリメッコのクルクエというシリーズのマグカップ。デ・ステイルの色使いにあるような純度の高い赤・黄・青がアクセントになっています。
【マリメッコ】1951年に設立されたフィンランドのテキスタイルブランド。現在ではインテリア雑貨や洋服など、商品のバリエーションは多岐にわたっています。
右はフランク・ロイド・ライトがデザインしたもの。こちらはインテリアコーディネーター試験に合格した時、尊敬する先輩からお祝いとして頂いたもので、もったいなくて使えず、普段は飾っています。
【フランク・ロイド・ライト】といえば、著名なアメリカの建築家(1867〜1959)。昔は建築家が器や椅子などをデザインすることは、ごくごく当たり前の事だったようです。世界的に有名なデザイナーズチェアも、そのほとんどは建築家の手によるものですものね。
フランク・ロイド・ライトのティーカップは、赤・黄・青の純度を下げた配色になっています。黄と青には白が混ざり明るく薄くなっています。赤にはほんの少し黒が混ざり深みが出ています。
赤・黄・青の3色配色は一般的には難しいと言われていますが「色の純度(現在の色彩学でいう彩度)」や「面積の比率配分」を工夫するだけで、どこにもない洗練されたデザインが完成するのですね。
佐藤可士和さんが2000年に手がけたスマップのアートワークも、まさにこの3色!
皆さんの記憶にも強く残っているのではないでしょうか?
赤・黄・青の話〈完〉