【今月のお菓子・7月】金のほし☆銀のほし
2008.07.19
【今月のお菓子・7月】金のほし☆銀のほし
梅雨も明け、厳しい暑さが続いていますね。
今月は七夕にちなんで、金箔・銀箔を使った金平糖(こんぺいとう)をテーマにしたのですが……アップが遅れ、既に季節はずれの感があります(>_<)
今はいろいろなお菓子が豊富にある時代なので、金平糖というと「懐かしいレトロなおやつ」というイメージになってしまいましたが、たまに食べると、その素朴な甘さに癒されてホッとします。
七夕にちなんだ色といえば…『七夕さま』という歌の歌詞の中に出てくる五色の短冊の「五色(ごしき)」と金銀砂子の「金・銀」でしょうか。
五色の短冊を飾るという習慣は、もともと中国の陰陽五行説によるものです。最初は五色の糸をお供えするというものでしたが、のちにそれが絹の布に代わり、さらに時代を経て五色の短冊を笹の葉に飾るようになったといわれています。その色は青・赤・黄・白・黒でしたが、日本では黒の代わりに高貴な色の代表とされていた紫が使われました。
七夕さま
笹の葉さらさら 軒端(のきば)に揺れる
お星さまキラキラ 金銀砂子(すなご)
五色(ごしき)の短冊(たんざく) 私が書いた
お星さまキラキラ 空から見てる
■■■■■■■■■■■■■ちょこっと色彩学(^o^)【金色・銀色】■■■■■■■■■■■■■
金色や銀色は、不思議な色です。
現代の色彩学では、ある特定の色を表す時、記号や数字を組み合わせて表示します。ほとんどすべての色は、これで正確に表記・指示・伝達することができるのですが…金色や銀色だけは例外です。
…と申しますのも、金や銀はその輝きにこそ特徴がある色なので、現代の色彩学による「XYZ表色系の色度図」や「マンセル表色系」などでそれを表そうとすると、近似の色は表現できても、その近似した色は色褪せたニセモノのようになってしまうのです。
絵画の世界で金や銀は、昔から神々しさの表現として用いられてきました。また、中世のヨーロッパでは錬金術が盛んに研究されていました。現代の色彩学で正確に表すことのできないこの輝きにこそ、人々は魅力を感じ、憧れを抱くのかもしれません。
参考文献…『色のはなし?』技報堂出版株式会社(1986年初版発行)