インドの極彩色「神様カード」と「ホーリーの色粉」
2009.01.24
インドの極彩色「神様カード」と「ホーリーの色粉」
東京カラーズのHPを管理してくださっている会社から、「最近【縁起の良い色】に対するアクセスが増えていますよ!」というフィードバックを頂きました。
理由として考えられるのは…季節的なもの。年末年始は新年の幸運を祈る気持ちから、縁起物に目が向く時ですよね。
もう一つは、毎日のように新聞・テレビなどで目にする「不況」という言葉。昨年の秋からず〜っとです。せめて気持ちだけでも明るく…というコンセプトで、今日はインドにおける縁起の良い色・おめでたい色をご紹介させて頂きます。
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インドは仏教発祥の地であると同時に、ヒンドゥー教が信仰されている土地です。
ヒンドゥー教は多神教なので、いろいろな神様がたくさん登場します。
縁あって何度も行ったことがあるのですが、ちょうど12月に滞在していた時、街の大きな本屋さんで本を購入したら、おまけにカレンダーをもらいました。カレンダーはA5サイズで、上半分に【画像:左】のような神様ファミリーが描かれ、下半分が12ヵ月のカレンダーになっていました。
これは文化の違いですね。日本の大きな本屋さんで12月に本を買っても「七福神カレンダー」はもらえません(笑)
特筆すべきは、何といってもこの極彩色!!
最高に鮮やかな色がぎゅっと凝縮され、そこにゴールドのまばゆさが加わります。
ゴールドの上にエンボス加工の凸凹が加わり、キラキラというよりは「ギラギラ感」を演出しています。【画像:中央】。
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もう一つ【画像:右】はインドで3月〜4月に行われるホーリーというお祭りに使われる色粉です。
この色粉、市場でいろいろなタイプのものが売られていまして、私は色々な色が少しずつセットになったものを試しに買って持ち帰りました。
これはもう、鮮やかすぎてこわいくらい(笑)。
ホーリーとは春の訪れを祝う盛大なお祭りで、この日ばかりは身分の差に関係なく、道行く人々が色水や色粉を掛け合います。普通に歩いているだけで顔も体も極彩色に染まってしまうので、「観光客は外出しないほうがいい」と言われます。
この色粉、もともとはインド伝承医学アーユヴェーダに基づく天然の素材(花やスパイス)が使われていました。暑い夏に備えて薬効のある植物性色素を掛け合うという、理にかなったお祭りだったようです。しかし天然のものは作るのに手間がかかる上、材料費がかさむという理由で、ご覧のようなケミカルカラー(化学成分由来の色粉)が圧倒的に出回るように。皮膚炎などの健康被害も数多く指摘されるようになり、最近では再び「天然素材の色粉をつかいましょう」という動きが出ているそうです。
それにしてもインドという国は、色彩のパワーが強い国ですね。