【連載その5】バナナの黄色、正確に覚えてる?
2011.01.26
【連載その4】までアップしたところで、少しお休みを頂いておりました
[楽しくやさしい色彩クイズ]の続編です。
今回は「イメージの中にある色」と「実際のモノの色」との違いに関するクイズです。
お気軽にチャレンジしてみてください!
●実物に近いバナナの色はどちらでしょう?●
答え
●右のバナナの写真のほうが、より実物に近い色になっている●
スーパーで売られているごく一般的な熟れ具合のバナナを数種類購入し、
その色と合わせたものが「右」の写真です。
。。。でも、ちょっと待ってください!
左のバナナのほうが、よりバナナらしいと感じませんか?
解説
「バナナは黄色い」という私たちのイメージとしての色は、
実際のバナナよりも鮮明な色として記憶されています。
また、その色あいも、より典型的な色(それらしい色)にシフトしたかたちで
記憶されているといわれています。
他にも、よく知っている対象物の色が、
「より強調された状態」で記憶されている例があります。
たとえば、リンゴ⇒赤い 空⇒青い などのように・・・
私たちのイメージの中にある色は、
専門用語で 【記憶色(きおくしょく)】と呼ばれます。
印刷物や映像の色再現では、実物の色を忠実に再現するよりも、
記憶色に近づけたほうが違和感なく受け入れられることがあるため、
たとえば風景カレンダーなどの青空の色は、
実際の空よりも、より青々と再現されていることが多いのです。
※参考文献 『色彩用語辞典』 日本色彩学会編/東京大学出版会