世界的視点で「色」を学ぶか、国内の現象としてだけ捉えるか〜PANTONE(R)20世紀の配色
2011.10.25
仕事の合い間には、とにかく勉強するように心がけています。
カラーの仕事を続けて行くための宿命。
「カラーコーディネーターになりたいんです」と相談されると、最近では、意地悪オバサンみたいに「ひとつのことをアウトプットするために、その10倍くらいのインプットが必要だよ」とか言っちゃったりするワタシ。。。
でも、それは本当です!
今、ちょうど仕事で「流行色に関する文章」を書かねばならぬことになっていまして、先日購入したばかりの【PANTONE(R)20世紀の配色】を隅々まで読んでいます。ところがこの本、読むといっても文章はほんの少しであとは美しい写真が満載!!!
1900年代からスタートして、10年区切りで各時代の文化・カルチャー・社会情勢を【色彩・カラー】の観点から読み解いていきます。私の場合1970年代以降はしっかり記憶がありますから、もうページをめくるたびに懐かしくて、昔のことをあれこれ思い出しながらの楽しい時間です。
「ああ、このアボガドグリーンやハーベストゴールド、バーントオレンジはキッチン(いや、台所)の電化製品の色だったなぁ…」という具合ですから、言わなくても年齢がバレてしまいますね(画像:中央)
また、1980年代には【世界的な黒の流行】がありましたが、当時の日本では全身黒を身にまとったハウスマヌカン(今では死語となってしまいましたが当時はブティックの販売員をこう呼びました)は憧れの職業でした。
しかしそれは日本でのお話。
この本はアメリカのPANTONE(R)によるものですから、80年代の黒は【日本の風】というタイトルで紹介されています。そして、その【風】を巻き起こしたデザイナーとして、三宅一生、山本耀司、川久保玲が登場します。
(画像:右)は日本の【木版画】の影響を多分に受けたグラフィックデザイナー、パトリック・ナーゲルの作品。強い輪郭線や大胆な色使いが特徴です。さて…この絵を見て「なつかしい」と思われる方。そうです、デュランデュランのアルバム『リオ』のジャケットの絵です!
今日は、決して昔話をしたいわけではありません。
分かって欲しいのは【80年代の黒の流行】を日本国内だけの現象として見ると「表参道を全身黒づくめのカラス族が闊歩(かっぽ)した」となり、世界の視点で見ると【日本のファッションデザイナーが使った黒が、世界中のあらゆる分野のデザイナーに影響を与えた】となるわけです。
これから色彩を学ぶなら、
ぜひ世界的視点でどうぞ!!!
いつもお読み頂き、ありがとうございます。
感謝申し上げます。