≪対談:住×色彩3≫世界的な建築家がデザインした「建物以外の物」って…

2006.12.23

≪対談:住×色彩3≫
世界的な建築家がデザインした「建物以外の物」って…

安「実は…上海に行った時、携帯をなくしちゃったんだ。仕方なく新しいのを買ったんだけど、いろいろ考えた末、一番すっきりしたデザインで、色も自分の好きなブルーにした。今まで使っていた中では一番のお気に入り。今度はなくさないようにしないと(笑)。」

桜「まあ、それは大変でしたね。朝から晩までびっしりのスケジュールを、西から東へと移動しながらお仕事されていますものね。携帯を持って移動していただかないと、誰も安松先生のことをつかまえられなくなっちゃう(笑)…ところで、先生は物へのこだわりってありますか?」

安「高価なものとかブランド物ということではなく、いいデザインのものを使いたい、身近に置いておきたい、そういう気持ちは協力隊時代にデンマーク人と一緒に働いてから強くなったな。
彼らはマラウィのレンガの住宅の中を、自分たちで工夫して素敵なインテリアにし、いいデザインのものに囲まれて暮らしていたんだ。」

桜「北欧のデザインやインテリアは、私たちの感性にもよく合うのでしょうね。ところで、あらためて〔いいデザインの物〕って、先生にとってはどんな物ですか?」

安「使いやすくて、形や色が美しい物。」

桜「では、ご愛用の物を三つご紹介ください。」

安「うーん。三つというのは…いろいろありすぎて絞り込むのが厳しいなぁ(笑)。まずはデンマークのハンス・ウェグナーがデザインしたYチェア【画像:左】。1950年代のデザインとは思えないよね。今でも人気があって雑誌なんかにもよく出ているよ。僕は12年くらい使っているけれど、丈夫で、ものすごく座りやすいんだ。」

桜「時代を超えて存在し続けているデザインは、形が美しいだけでなく実用的でもあるんですね。」

安「名刺入れとマグカップは、20世紀の三大建築家の一人、フランク・ロイド・ライトのデザイン。カップのほうは旧帝国ホテル用にライトがデザインした物の復刻版なんだ。」【画像:中央】【画像:右】

桜「世界的な建築家がデザインした「建物以外の物」って素敵ですね!彼らは広い意味でのデザイナーだったのですね〜〜(ひたすら感心)。」

安「ところで、お気に入りというか、自分にとって大切な物に音楽のCDがあるよ。数えたことはないんだけど、800枚?900枚?1000枚?といった感じで、整理されていないから、目的のものを見つけるのが大変(笑)。」

桜「ジャンルはどのようなものなんですか?」

安「ロック、ジャズ、カントリー、クラシック…ジャンルは広いんだ。でも、演歌は一枚もないよ(笑)。」

桜「先生のお気に入りの物のお話だけで、コラム10回分くらいは書けそうです(汗)。やはり、良い仕事をするためにはいろいろな物に興味を持ち、物との出会いを大切にする気持ちが必要なんですね。」

●画像左:ハンス・ウェグナーのYチェア。使い込まれた感じが、また良いですね。その奥にあるポスターは、先日のコラムでご紹介したIP Worksの3DCGです。まるで写真のよう…〔解説:桜井〕
●画像中央:
フランク・ロイド・ライトがデザインした名刺入れと安松氏の新しい携帯電話。
●画像右:同じくライトの帝国ホテル用カップ(復刻版)。

【2006年9〜10月 記】

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