【今月のお菓子・2月(前編)】チョコレートの色くらべ

2008.01.29

【今月のお菓子・2月(前編)】チョコレートの色くらべ

ひと月に一度、その月にちなんだおやつを、色彩と結びつけてご紹介しようという試みです。
(先月から始めたばかりですが…(^-^)ゞお楽しみください)

バレンタインデーも近づき、チョコレート商戦真っ只中という感じですね。店頭には有名ショコラティエのチョコレートからパロディチョコレートまで実に様々なチョコレートが並んでいます。…が、今日はバレンタイン仕様のチョコレートの話ではなく「カカオの含有量と色の関係について考察する」という、やや固いテーマで行ってみたいと思います。

数年前から、カカオの含有量にこだわったチョコレートが出まわるようになりました。
一時のブームは過ぎ去ってしまった感がありますが、99%カカオのチョコレートは今も健在です。

実は私チョコレートが大好きで、誰に頼まれる事なくいろいろ食べ比べてみました。
結論として、99%ならやっぱりフランスのリンツ・チョコレートのものがすごい!!
漢方薬を連想させるかのような苦味がありますが、食べた後にはちゃ〜んとチョコレートの風味が残っているから不思議です。ポリフェノールたっぷりで脳に効きそう。…という事を理由にパソコンに向かって原稿を書きながら一枚まるごとかじっていたりします(^-^)ゞ

箱の裏にはこんな文章が…
『この製品はカカオ豆の力強さと豊かさのすべてを表現したチョコレートです。(中略)まず70%カカオから食べ始め、次に85%カカオというようにカカオ含有率が高いチョコレートの味覚に慣れてから召し上がることをお勧めします…』
ふ〜ん、なるほど。カカオ豆の《力強さ》と《豊かさ》が表現されているんだ。
この文章気に入ってしまい、何度も何度も読み返してしまいました(笑)

ではここで、カカオの含有量によって、チョコレートの色がどのように違ってくるかを調べてみましょう!
右側の写真は、おなじみ『明治ミルクチョコレート』と『明治[チョコレート効果]カカオ86%』と『リンツの99%』です。ふつうのミルクチョコがとても明るい色に見えませんか?

つまり、カカオの含有量が増える程チョコレートの明度(明るさ暗さの度合い)は低くなる。
カカオ含有量とチョコレート表面色の明度は見事な反比例の関係にあるといえる訳です。

■■■■■ちょこっと色彩学(^o^)【色の三属性】明度(めいど)■■■■■
日常生活の中で色を表す時、普通は「バラ色」「レモンイエロー」などのように物の名前になぞらえて表現します。これで行くと暗い茶色は「チョコレートブラウン」ですね。
ところが、いざ色彩の勉強を始めようとすると一番最初に出てくるのは「ある色を色相・明度・彩度の三属性によって表現する」という何だか聞いた事のない話が出てくるのです。
■色相とは色みの性質・色合いのこと。
■明度は明るさ暗さの度合いを表す用語。
■彩度は鮮やかさの度合いを表す用語です。
一例として、たとえば「桜色」のような、白に近いピンクをこの用語を用いて表すと色相《赤》・明度《高明度》・彩度《低彩度》となります。ピンクは《赤に白をたくさん混ぜて出来る色》なので色相のカテゴリーが《赤》になります。また、明るく淡い色は高明度・低彩度と表現します。
「チョコレートブラウン」はどうなるでしょう。色相は茶色と言いたいところですが、茶色は《橙に黒を混ぜて出来る色》なので色相は《橙》となります。また、暗い色なので《低明度》。彩度はもとの色が橙だとは分からないほど黒がたくさん入っているので《低彩度》となります。

※色彩学では白や黒は「色みのない色(無彩色)」として扱われるので、赤や橙にたくさんの白や黒を混ぜてできあがる色は彩度が低いという結果になるんですね。いかがでしょうか?
慣れると難しくないですよ。

※ここでの色相に関する解説はPCCS(日本色研配色体系)をもとにしています。JIS(マンセル表色系)で、橙は黄赤と表現されます。

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