おめでたい色8【藍色(あいいろ)】伝統色×家紋

2007.02.27

おめでたい色8【藍色(あいいろ)】伝統色×家紋のグリーティングカード

【藍色(あいいろ)】

「青」という色は人種・民族を超え世界中で愛されている色のひとつですが、ジャパンブルー(日本の青)といえば、この藍染めの青のことをいいます。

藍は木綿に良く染まるため、木綿が普及した江戸時代には、藍染めが盛んに行われていました。「紺屋の白袴(こうやのしろばかま)」といえば、人のために忙しく働いて自分の事をする暇がないことの比喩ですが、これは当時の紺屋(藍染業者に代表される染物屋)がたいへん繁盛していたことを今に伝えています。

日本伝統色の中には、この「藍染めに由来する色名」が数多く残っています。
色の薄いほうから順にご紹介すると、瓶覗(かめのぞき)→浅葱(あさぎ)→縹(はなだ)→藍(あい)→紺(こん)がその代表的なものです。もちろんこれは、現代に残っている「藍染め関連の色名の代表的なもの」を並べたということで、実際には、その時代時代で細分化された呼び名が付けられていたようです。

今回カードに取り上げた色は、その中の「藍色」。藍染めの濃い色をさします。

日本の歴史において濃い赤や濃い紫は、長い間「禁色(きんじき)」とされ、身分の高い人しか着用することが許されていませんでした。しかし、濃い藍色は誰にでも着用が許されていたため、日本人の民族色ともいえるほど、日常生活に根付いていた色だったのです。

【家紋について】
グリーティングカード・ポストカード共通:夕浪兎

兎は古くから神聖な動物とされており、家紋の中にもさまざまなパターンで登場します。今回とりあげた家紋は浪と兎を組み合わせたものですが、この他にも兎の顔を正面から見たデザインや、二羽の兎が向かい合ったデザインなどが、家紋として存在します。

日本神話に登場する 因幡の白兎は神様として祀られていますし、「延喜式(平安時代中期に編纂された律令の施行細則)」の一節には兎について「月の精にしてその寿千歳」という記述がみられます。
また、日本では昔からお月様の中で「兎が餅つきをしている」のですね。

色彩コンテンツ

色彩コラム

カテゴリー

アーカイブ