色と文様のコラボレーション〜ゆりかもめ駅巡り【2】
2008.12.17
【画像左:汐留駅/中央:竹芝駅/右:日の出駅】
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色と文様のコラボレーション〜ゆりかもめ駅巡り【2】
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【汐留駅】は【葦(あし)文様】、色は【鬱金色(うこんいろ)】
汐留といえば大規模な再開発により立派なビルが林立しているエリアですが、その昔は葦(あし)が生い茂る海辺だったのだそうです。葦は日本に古くから自生していた植物で、古事記や日本書紀の中で日本の国は「豊葦原水穂国(とよあしはらの みずほのくに)」と表現されてきました。豊かに葦が生い茂り水田に稲穂が実る国、日本という意味です。
色について…鬱金(うこん)とは熱帯アジア原産の生姜(しょうが)の一種。土の中にできる根茎を食用・薬用・染料として活用します。黄色い色素をもち、英名を「ターメリック(turmeric)」といいます。食用では皆さまお馴染みのカレーのスパイスとしてはもちろん、たくあんの色付けなどにも使われています。
忘年会シーズンのこの時期、特に注目される「ウコンエキス配合」のサプリメントや飲料には「クルクミン」という成分が含まれていますが、このクルクミンこそが、黄色い色の素です。強い抗酸化作用をもち、肝細胞を活性化させるといわれています。
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【竹芝駅】は【鱗(うろこ)文様】、色は【鉄紺色(てつこんいろ)】
魚の鱗(うろこ)を三角形に見立て幾何学的に構成した文様。お能や歌舞伎の衣装にも度々登場し、お能では鬼女などの衣装に、歌舞伎では『娘道成寺』で蛇体となった清姫の衣装に用いられていることで良く知られています。
色について…鉄紺色とは、緑みを帯びた暗い藍色のことです。
言葉で表すと、かえってどのような色か理解しづらくなってしまいそうなので、ここはぜひ画像をご覧ください。通常の「紺色」と比較すると、「鉄紺色」のほうがやや緑みを帯びています。
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【日の出駅】は【日足散らし(ひあしちらし)文様】、色は【紅色(べにいろ)】
日足(ひあし)文様には様々なバリエーションが存在し家紋にも用いられています。雲の切れ間から太陽の光が差し込むようすを意匠化したものです。文様と色の効果が相まって、駅全体がパッと明るい雰囲気になっていました。
色について…紅色は今まで何度もこちらのコラムでご紹介させて頂きましたので今回は割愛させて頂きます。(こちらのページ右下に【ブログ内検索】という欄がございますので【紅色】と漢字二文字をご入力頂きますと、今までの紅色に関するコラムを一覧頂けます)
※参考文献…『文様の手帖』尚学図書編集 小学館発行