おめでたい色5【黄金色(こがねいろ)】伝統色×家紋

2007.01.31

おめでたい色5【黄金色(こがねいろ)】伝統色×家紋のグリーティングカード


【黄金色(こがねいろ)】

昔は銀のことを「しろがね」、金を「こがね」と呼びました。貴金属としての金は光沢と輝きを放っており、錆びることがなく、比較的やわらかいために加工が容易でした。金が豊富に産出された日本では、古くから工芸品や美術品に多用されてきました。

マルコ・ポーロの『東方見聞録』の中で日本は黄金(おうごん)の島として紹介されていますが、万葉の時代から金箔・金泥は表現材料として用いられ、やがては足利義満の金閣寺、豊臣秀吉の黄金の茶室や安土・桃山美術の金碧の障壁画などに見られるように、金は日本の歴史に輝きを添えてきました。

仏教では金色を「こんじき」と呼び、「最高の存在を象徴する色」と定義されていました。現実世界では金色を「きんいろ」と呼び、「富と権力を象徴する色」とされました。

さて、今回ご紹介する黄金色(こがねいろ)とは、赤みをおびた黄のことをさします。黄色は明るい色で光を放つ印象があるからでしょうか。
「稲穂が黄金色(こがねいろ)に実る」という表現がありますが、まさに輝かしい実りの色・収穫の色でもあります。

江戸時代には、大判・小判の金色のことを「山吹色(やまぶきいろ)」と称したこともありました。つまり、黄金色と山吹色がほぼ同義語として使われたということなのですが、これは「山吹色」という色が日本の歴史において古くから存在し、黄色をあらわす代表的な色名であったためと考えられています。

【家紋について】
グリーティングカード・ポストカード共通:二つ穂 稲の丸

稲紋には50数種類のバリエーションがあり、「鈴木氏」の代表的な家紋として知られています。また、京都・伏見稲荷の神紋としても知られています。
もとは熊野神社に仕える神官とその氏子たちが、稲穂を積み上げて神に捧げたことから「穂積」の姓を名乗るようになり、そこから榎本・宇井・鈴木の三氏が生まれたと考えられています。

稲紋のほとんどが、稲穂を束ねて丸型にしたものです。

家紋は長い歴史の中で、次々と新しいものが派生し広がってきました。現在 鈴木姓を名乗る方々の家紋は稲紋だけでなく、烏(からす)紋、藤丸紋、州浜紋など多岐に渡っています。

もしこのコラムを鈴木さんが読んでくださっていたら、ぜひご自分のお家の家紋を確認してみてください。稲紋でしょうか? それとも?

ちなみに私は桜井ですが桜紋ではないのですよ(笑)これについては、現在制作中の春のグリーティングカードに「桜紋」を使っておりますので、また改めて取り上げてみたいと思います。

↓家紋の由来について書かれた本はいろいろありますが、こちらは分かりやすくてお薦めです。
 ご興味のある方はご覧になってみてください。

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