【今月のお菓子・最終回】 縁起菓子、再び・・・
2008.12.16
【今月のお菓子・最終回】 縁起菓子、再び・・・
お菓子と色彩を結びつけたコラムは今回で最終回です。
2008年1月に「縁起の良いお菓子」から始めましたので、もうじきやって来る新しい年の幸せを願い、再び縁起菓子をご紹介して締めくくりたいと思います。
今回ご紹介するのは、いずれも金沢『諸江屋』のものです。加賀百万石、前田家の城下町として栄えた金沢には、茶事のお菓子や歳時を祝うお菓子が古くから発達し、今に伝わっているのです。
【画像左】は金沢のお正月の縁起菓子、福徳(ふくとく)。打ち出の小槌や俵をかたどった最中の皮は、よく見ると半分が薄い黄色、残る半分は白くなっています。これは黄金、白銀を意味しています。
最中の中には、金平糖か土人形のどちらかが一つ入っています。いずれも恵比寿様・招き猫・富士山など、縁起の良いものばかり。東京のお正月しか知らない私は、昨年のお正月に人から頂いて初めてこのお菓子のことを知ったのですが、あまりの可愛らしさと楽しさに感動してしまいました。
【画像中央】は久寿玉(くすだま)。紅白の最中を割ってみると、小花うさぎ・舞づる・千代結びなどと名付けられたお宝がたくさん出てきます。久寿玉が入っている外箱はさいころになっていて、すごろくも付いています。いかにも縁起の良いお菓子で、この時期は東京のデパートでも期間限定で購入できるようになりました。
【画像右】最後は辻占(つじうら)と呼ばれる縁起菓子です。きんちゃく包みのようなかたちの米煎餅の中に、おみくじともなぞなぞともつかぬ言葉と絵の描かれた紙が一枚ずつ入っています。これも伺った話なのですが…地元では「三つの辻占を開き、それぞれの言葉を組み合わせることで一年を占う」という楽しみ方があるのだそうです。
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