慶祝カラー【色見本いろいろ6】
2006.12.23
慶祝カラー【色見本いろいろ6】
【色見本いろいろ2】でご紹介した『新配色カード199』を発行している日本色研事業(株)は、
年2回『fashion color』という、ファッションのトレンドカラー・素材・アイテムなどを紹介する本を発行しています。その本の付録として付いてくるのが、写真(左)の色見本です。
流行色は「実シーズン」の2年前にパリで開催される「インターカラー」という会合で、およその枠が決まってくるのですが、日本からは日本流行色協会(JAFCA)という団体が参加しています。
この色見本は日本流行色協会から発信される情報にもとづいたもので、4月にはその年の秋冬(Au./W.)情報、10月には次の年の春夏(Sp./Su.)情報が手に入ります。
その日本流行色協会から平成5年(1993年)3月に発行されたのが『皇太子殿下 雅子さま慶祝カラー』全8色。色彩研究家・各界のデザイナー・有識者の方々の知恵を集結させて選定されたものだそうです。
写真(左)の画面右側、上から順に番号が付けられていますが、1.紅・2.藤紫・3.黄水仙・4.桜・5.象牙・6.若竹・7.臙脂・8.紺となっています(クリックして拡大してご覧ください)。
臙脂(えんじ)は英名でHarvard crimson(ハーバード・クリムソン)といい、米国ハーバード大学のカレッジカラー。紺は英名でOxford blue(オックスフォード・ブルー)、英国オックスフォード大学のカレッジカラー。
お二人のご出身大学の「色」も慶祝カラーとして選定されたのです!
色彩検定を勉強中の皆さまは『対策テキスト2級』の中に黄丹(おうに)という色が載っているのをご存知でしょう。これは「皇太子の礼服の色」。写真(右)は『日本経済新聞』1993年(平成5年)6月9日 ご成婚当日の夕刊一面です。皇太子様は「束帯黄丹袍(おうにのほう)」をお召しになられ、雅子妃は十二単(じゅうにひとえ)です。
当時 私はすでに色彩の仕事を始めていたのですが、その時まで「本の中」でしか見たことのなかった黄丹を見てなぜかとっても感動!!
「わぁ・・・すごい、ホンモノの黄丹だぁ!!」
周囲の人には「へんなところで妙に感動している人」と映ったに違いないのですが、色彩検定2級を目の前に控えている方々にとってはこの新聞記事、少なからずインパクトがあるのではないでしょうか?
【2006年5月 記】