絵文字を使った、色の実験
2010.01.23
【左】の図は普段私たちが目にする絵文字。
【中央】は実験的に色を反転させてみました。
いかがでしょうか?
なんだか違和感あり…というより、間違えちゃいそうです(笑)
【右】はすべてをパステルカラーで配色したもの。
背景と図の明るさがほとんど同じなので、非常に識別しづらくなっています。
こちらの絵文字は街でよく見かけるおなじみのものですが、
実はJISで規格化されている「標準案内用図記号」のひとつです。
(どうりで、どこの絵文字を見ても同じはずですね!
○○駅の絵文字は男女ともにちょっと太り気味…なんてことはありません)
もとのデータは白地に黒なのですが、
ルールに基づいて色を付けて使用してもよいことになっています。
トイレの絵文字は一般的に男性を青、女性を赤にしているケースが多く、
急いでいる時にも直感的に判断できるので、
色がかたちを助けている良い例といえそうです。
わたしたちが見たものは眼から脳へと伝達されますが、
なかでも「明るさ」や「色」の情報は、
他の情報と比較して処理速度が速いことがわかっています。
つまり、私たちは形やディテールよりも
まず【色を見て直感的に情報を得ている】ということなのです。
案内用図記号や看板などの色を考える時にもっとも大切なのは、
背景と図の明度差(明るさ暗さのコントラスト)を確保すること!
明度差が十分でないと、遠くから見た時に識別できません。
身近にある絵文字も、きちんと考えられて効果的な色が施されているんですね。